テレビのエンドロールが静かに流れ、部屋には穏やかな時間が漂っていた。
ソファには健太と美咲。二人きり。さっきまで並んで観ていた映画の余韻が空気の中にほのかに残っている。
「……なんか、この映画思ったより良かったな」
「うん……健太、泣いてなかった?」
「え、いや、あれは目にホコリが……」
「ふふ。健太って意外と優しいよね」
「そ、そうかな?」
言葉を交わすたび、二人の間にやわらかな空気が生まれる。互いに視線をそらしがちなのも、どこか心地いい緊張感のせいだろう。
「こういう日、ずっと続くといいよね」
美咲がぽつりとつぶやいた。
「ねえ、健太……将来のこととか考えたことある?」
「将来、か……考えたりしなくもない……かな」
「何それ。なんか、はっきりしない答え。でもさ、もし健太とずっと一緒だったらどうなるんだろう、ってたまに思うんだ」
「……俺も美咲となら、なんか……面白そう」
二人の間に少しだけ沈黙が落ちる。ふと、美咲の手が健太の手のすぐそばに伸びてきた。ほんの数センチ。
「ねえ……」
美咲がもう一度ささやき部屋の空気がふっと変わる。映画でもテレビでもない、二人だけのこれからの時間が静かに始まろうとしていた。
部屋に沈黙が落ちる。美咲の手にそっと触れたまま、健太はほんの少しだけ彼女の方を見やる。美咲も同じようにゆっくりと視線を健太に向けた。互いの視線が重なったとき、空気がピンと張り詰める。
「……健太」
二人の距離はもうほとんどゼロに近い。沈黙の中で何かが始まろうとしていた。
健太と美咲はそっとお互いに寄り添う。やわらかな吐息と鼓動が重なる夜の静けさに溶けていく。
言葉はもう必要なかった。夜はゆっくりと流れ──やがて、静けさの中でごくかすかな喘ぎが溶けて消える。何度も確かめるようにお互いを抱きしめ合う。
その夜、二人は誰にも言えない秘密の中で、ただひとつになっていた──
テレビのエンドロールが静かに流れ、部屋には穏やかな時間が漂っていた。
ソファには健太と美咲。二人きり。さっきまで並んで観ていた映画の余韻が空気の中にほのかに残っている。
「……なんか、この映画思ったより良かったな」
「うん……健太、泣いてなかった?」
「え、いや、あれは目にホコリが……」
「ふふ。健太って意外と優しいよね」
「そ、そうかな?」
言葉を交わすたび、二人の間にやわらかな空気が生まれる。互いに視線をそらしがちなのも、どこか心地いい緊張感のせいだろう。
「こういう日、ずっと続くといいよね」
美咲がぽつりとつぶやいた。
「ねえ、健太……将来のこととか考えたことある?」
「将来、か……考えたりしなくもない……かな」
「何それ。なんか、はっきりしない答え。でもさ、もし健太とずっと一緒だったらどうなるんだろう、ってたまに思うんだ」
「……俺も美咲となら、なんか……面白そう」
二人の間に少しだけ沈黙が落ちる。ふと、美咲の手が健太の手のすぐそばに伸びてきた。ほんの数センチ。
「ねえ……」
美咲がもう一度ささやき部屋の空気がふっと変わる。映画でもテレビでもない、二人だけのこれからの時間が静かに始まろうとしていた。
部屋に沈黙が落ちる。美咲の手にそっと触れたまま、健太はほんの少しだけ彼女の方を見やる。美咲も同じようにゆっくりと視線を健太に向けた。互いの視線が重なったとき、空気がピンと張り詰める。
「……健太」
二人の距離はもうほとんどゼロに近い。沈黙の中で何かが始まろうとしていた。
健太と美咲はそっとお互いに寄り添う。やわらかな吐息と鼓動が重なる夜の静けさに溶けていく。
言葉はもう必要なかった。夜はゆっくりと流れ──やがて、静けさの中でごくかすかな喘ぎが溶けて消える。何度も確かめるようにお互いを抱きしめ合う。
その夜、二人は誰にも言えない秘密の中で、ただひとつになっていた──
どろり
とろり
ぶちゅん……
そんな音とともに、精液という名の銀河船がやたらと熱くて湿った空間へとぶちまけられた。
そこは膣内。暗い、狭い、ぬるい。
なのに、やたらピリついているーーー!!
「うおおおおおおおッッ!!」
一番先に飛び出したのは熱血エンジン全開のイチロー!飛び出すや否や全力で前進しながら叫んでいた。
「ついに来たか……!伝説の地、女体フィールドの内部ッッ!」
後ろからはちょっとイキり気味のサブローが滑空しながらはしゃいでいた。
「……言っておくが、ここは観光地じゃないぞ。初動で生き残れる精子なんて1割以下だ」
冷静に横滑りしながら警告を飛ばすジロー。体内のpHレベルを測っているのか眉間にシワ寄せ気味。
(ここが膣内……これが、女の体……ッ!)
イチローは息を呑んだ。酸っぱいような匂い、粘液の重さ、ぬめる感触。まるで全身が溺れているみたいだった。
そして数の暴力。押し寄せる何億という精子たちが蠢き、泳ぎ、溺れ、散っていく。
「あ゛っちちちち!なんかしみる!しみるってばああッ!うわああ!後ろから来たやつ、すでに動かなくなってる!?なにこの地獄!?酸?酸なの!?クエン酸!?乳酸!?カプサイシン!?」
サブローのテンションが上がり切ったかと思いきや一気に地に落ちていく。そう、ここは酸性領域──精子たちにとっては死の湿地帯。生き残れるやつの方が少ない。
「おいっ、こっちに集まれ!俺が道を切り拓くッ!」
イチローが水中で腕を振るようにしっぽをバタつかせる。後方で消えていく仲間の影を見ながら噛みしめるように言った。
「絶対に誰も欠けさせねぇ……!」
「フン、あんな奴らが消えても淘汰だ。それが自然の選択。だが──」
ジローは一瞬だけイチローの横顔を見た。
(……ふっ。多少の価値はあるのかもな)
「いーじゃん!楽しくいこうぜー!って、白いやつ来てるううッ!!」
サブローの叫びと共に背後から現れる白い球体の影。
\(^o^)/白血球(免疫細胞)だッッ!
「くそっ、始まったか……!異物認定の排除フェーズ!」
「迎撃開始ィィィィッ!」
三人は瞬時に散開。膣内の壁を滑るように旋回し、白血球の攻撃を躱しながら叫んだ。
「次の関門は……子宮!あそこに行かなきゃ始まりすらしないッ!!行こうぜ!俺たちの運命の先に!」
「目指せ子宮ぅぅぅッ!突撃いいいいッッ!!!」
三つの影が酸と死の湿地を切り裂き、滑るように突き進む──!

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